趣味がなくなったという話

今のわたしには趣味が無い。


いや、趣味が失くなった、の方が正しいかもしれない




受験期、絵を描く罪悪感に苛まれてペンを折った。自分の陰鬱な気持ちを絵に起こして昇華したくて仕方がなかった。ときどきノートの端に落書きを描いては完成させることが出来ずにため息をついた。


2年ほどやりこんでいたナナシスという音楽ゲームも封印した。たまに開いてプレイしては見るものの、楽しさを感じる前に罪悪感で閉じてしまう。




そんな非人間的な生活を送っていたわたしにようやく訪れた受験後。抑圧されていた欲が一気に解放されていくのを感じた。今入っている大学の入試を終えたあと、直ぐに私はポケモンシールドを買った。夕方からはじめて夜通しプレイ、終わったのは明け方だった。

どうぶつの森だってあらかじめダウンロードした。


ナナシスの新章も夜通し観た。EPISODE0.7は涙で前が見えなくなるほど泣いた。


絵も沢山描いた。受験期の落書きで気に入った下描きを取り込んで完成させた。感じるままに全てを描き起こした。




そんなわたしに不穏な前兆が起こったのは、そこから1週間程経った後だった。


わたしには、不思議と絵を書く気力が起きなくなっていった。ゲームも、すぐに開くのを辞めた。




人生がつまらない。


一気に世界が淡白になった。




そこからのわたしは早かった。


自分がかわいそう、という自己満足ともいえない思い込みのために精神科に通いだした。自殺だって考えた。今だって考えてる。


生きていく資格がないんだと感じる。コンプレックスが多すぎて自分が潰れていると思っている。すぐに気分が沈む。 


これはネガティブなんかじゃない。病気なんだ、と思いたい。





いま自分にあるのはきっと、「愛されたい」と「悲しい、死にたい」だけ。


このふたつの道具を使ってなにかを作りたい。


膣ドカタか、首吊り台か。


今の私には思いつかない。

「死にたい」について

死にたいなんて大袈裟だよねー。


死にたいなんてさ、普通に生きてりゃ思うことないんじゃないかな?


雨の中足引きずりながら帰って。心因性と低気圧と生理で頭痛と腹痛が止まらなくて。私が悪いくせに人に迷惑かけてさ。絶対あの人の方がつらいっていうのに。僕は。


誰か見てた人いるかな?私のメンタルバグった時のインスタのストーリー。気持ち悪かったよね、私も思った。


でもさ、明日を生きなくていいって思った時はほんとうに清々しかったよ。毎日をこんな風に生きられたら、って、正直思った。でももうすぐ死のうとしてたんだけどね。


ずっと死にたかったんだ。ずっと。


本当はね、生きていたかったんだ。幸せに生きていたかったんだけど、あまりにも視点が歪みすぎたし、この世界は私にとってあまりにも広すぎる。


君はどう思うのか知らないけど。私は生きることが苦痛だよ。


楽しい時でも「死にたい」が息を潜めて忍んでいて。少しでも隙を見せれば直ぐに僕を取り込んで「死にたい」一色にしてしまうんだ。


そうなったらもう何も見えない。好きな人の言葉も香りも、僕の心のATフィールドの前じゃ無力だ。


眠れない。そんな時だってある、いや、そんな時しかないんだ。目を閉じれば瞼の裏側には「死にたい」が潜んでいて。目を開ければ部屋一面に「死にたい」が広がってる。洗濯物干しだって首吊り台だ。


私はずっと「死にたい」んだ。僕はどう生きる?


そして、君たちはどう生きてるんだろう。僕には到底理解できないかもしれないね。

変わった人になりたかった。

私は特別でもなんでもないと気づいたのが一体いつからなのか、私は覚えていない。


中学時代どハマりした響けユーフォニアム。「孤高のトランペット」なんていう肩書きの付いた高坂麗奈とは違う。文学や哲学が特別好きすぎる訳でもないし、かといって理系はどちらかというと苦手な方だ。趣味だってない。強いていえば絵だが、最近は何も思い浮かばないし根本的に下手くそだから取り柄でもなんでもない。他人とのコミュニケーションなんて一生したくない、でも机に長時間向かうのは嫌い


そんな特別ではない私だからこそ、なにか飛び出たものが欲しかった。


"変わった人"というレッテルが欲しかったんだ。


そんな私が選んだのは、メンヘラと呼ばれる人種になることだ。もともと自分のことが好きではなかった私は、その界隈にすぐ順応することが出来た。まあアカウントは作らず裏垢に引きこもって自殺未遂(と一般には呼ばれるが死ぬためには1歩及ばない行為)をしていただけなのだが。


話は飛んで、私が1番苦手なのは人とのかかわり合いだ。ずっとオタクとして過ごしていて、先程言ったメンヘラ界隈にもどっぷり浸かっていた私には、自己肯定感なんて一欠片も残っていなかった。


そんな時に出会ったのはHIPHOPである。

呂布カルマというラッパーをご存知だろうか。高い身長にオールバックとサングラス、かなり角度の付いた眉。最も特徴的なのは、誰とも被らないであろうド派手な柄シャツ。


ここで私はなにかに目覚めた。


コミュニケーションが苦手なら、誰も寄せ付けない見た目になればいいじゃないか。身体全体に蔓延るコンプレックスを柄シャツで隠した。障害者に見えるほど低い身長をヒールで底上げした。自分の汚い顔面を金ラメをあしらったメイクで塗りつぶした。男も女もない見た目になりたかった。ただ、格好良くなりたかった。(ここでは詳しく言わないが、元カレに性的搾取されたせいでもある)


下がりきった自己肯定感を自分の好きなもので隠して気持ちを強化して肩で風を切りながら歩いた。変わった人になりたかった。かっこいい人になりたかった。私は、私になりたかった。

 



じゃあなれたの、って、

 

はは。





凡庸は塗りつぶしても凡庸なんだ。




これ書いてて思ったけど文書くのも向いてねえや。やめよ。